一言コメント:
呉バリアフリーツアーセンターは、広島県呉市の「NPO法人呉サポートセンターくれシェンド」のスタッフが自主運営しているツアーセンターです。呉市内の観光バリアフリー情報の発信や、相談業務などを行っています。
法人事務の傍らで運営している小さなツアーセンターですが、たくさんの方に呉に来ていただくことができるように頑張っていきたいです。
おはようございます。電車を降りた瞬間、雨にふられた瀬戸口です。
今日通勤の時、電車でとある発見をしました。
というのは、車内通路を車いすで通ることが可能な事です。
呉線を走るのはJR西日本の227系電車。国鉄時代に製造された115系電車と比べ
ホームとの段差が少なく、車いす対応型トイレが装備されているなど、
バリアフリー化が進んでいます。と、ここまでは皆さんご存じだと思います。
私は常日頃、乗務員のいる先頭、又は最後尾に乗ることが多いのですが、
行き違い待ちの停車中にお手洗いを催しました。在来線は車内通路が狭いので、
車いすで電車内を移動するのが難しく、これまではトイレにいきたくなっても
我慢していました。が、今回ダメもとで通路を移動してみると、
幅60センチの車いすは無事移動。トイレを使うことができました。(ホッ)
トイレの内部は、全長1.3メートルの車いすを頭から突っ込んで
扉を閉めると転回は難しいですが用は足せます。
普通電車の乗車時間が比較的長い地方都市では、トイレ設備の有無や
使えるかどうかは非常に重要です。
一度電車を降りると、次の電車まで長いです。
トイレに行きたくなるかどうか
なにより不安になりながら乗るのはしんどいとです。
トイレや扉、床面高さだけでなく通路まで配慮が行き届いているのは
ありがたいです。
残暑お見舞い申し上げます。お盆の台風がまさかの呉市に上陸。
それからというもの、夏の暑い空気はどこへやら、時折吹く風のやさしさに
秋を感じます。
さて、今日は呉市の公立中学校で行われている「職場体験」の一環として
市内の中学2年生がバリアフリー体験をしました。
いつも何気なく歩いている街角も、車いすの上から見ると
ちょっと違って見えます。
「どうせすぐ戻るから」、軽い気持ちで止めた自転車が通行の妨げになります。
目線が低い分だけ、周りを行きかう人もいつもより大きく見えます。
(だから、歩きスマホされるとどこ向いてるかわからない人に囲まれ
とても危ないんですね)
もちろん、街の中にはエレベータについた鏡、階段のふちについた黄色の帯、
触るとわかる地図など、いろんな人が使いやすくなるよう配慮されたものも
たくさんあります。
改めて聞けば当たり前ですが、
私達が暮らす世の中には、若い人も年配の人も、男の人も女の人も
歩ける人もそうでない人も、日本の人も外国の人も、いろんなひとが
いて成り立っています。
今の中学生が大人になる頃は、街にはいろんな人が暮らしているということが
もっと身近になるといいな、とおもいます。
お久しぶりです。暑いですね。瀬戸口です。季節はいつの間にか夏です。
さて、2019年は呉市にとって、呉鎮守府開庁130年の年です。
鎮守府は海軍の拠点となる場所に置かれる、管轄地域の海軍部隊を
管理する役所です。明治22年の開庁以来、整備された造船所や製鉄所などの産業や
病院・水道などのインフラは、一世紀を経てなお人々の暮らしとともにあり
呉と海軍は密接に関わっています。
そしてそこには、軍人だけでなく工員や商人、農民など様々な人々の
暮らしもありました。それは郷土の発展のみならず、
現代日本の基礎を作った一世紀でした。
そんな呉を皆さんに知って呉
来て呉、ということで様々なイベントを開催しながら
みなさまをお待ちしています。
詳細はこちら
https://www.city.kure.lg.jp/site/chinjufu/
(呉市のページが開きます)
10連休が明け、令和の時代が始まりましたね。瀬戸口です。
今日のテーマは「誰もが楽しめる旅にするにはーその3です。
実は、今日の話が一番の核心です。そもそも、この記事を書くことになったきっかけですが、
相談センターにとある相談が寄せられました(プライバシー保護のために加工しています)
今度、活動する団体で親睦旅行に行くことになりました。
バスで〇〇市の〇〇自然公園に行くことになりました。
私の団体には△△障害の人が多く、◯×障害の人は少ないです。
〇〇自然公園は◯×障害の人は楽しめるのでしょうか?
この手の相談、割とよくあります。センターとしては
●自然公園なので、バリアはたくさんあります。
●展望台に屋根はありません
●広い空き地はありますが、公園内に売店・食堂はありません
バリアについては上のような回答が可能です。
しかしそもそも、障害のある方々を対象とする旅行で、対象となる方々が
楽しめないような計画の立て方は問題があります。
このシリーズの初回に述べたような、歩ける人が中心の団体で、
車椅子の人が少しいるような団体の場合で考えてみます。
1.車椅子の人は参加しない
2.行程は歩ける人に合わせて、手助けがいるときは頑張る。ダメなら車椅子の人は待機
3.行程は車椅子の人に合わせて、バリアフリー設備が無い所へは行かない
4.色んな人が参加することを念頭に行き先を考える。必要に応じて、車椅子の人には代わりのコースを設定する。
1〜3は、関係する誰かが必ず寂しい思いをします。歩ける人と車椅子の人がいるなら、
人数の多少に関わらず、両方が楽しめるように考えることが必要です。
ちなみに代わりのコースを設定する、というのは別の場所に行くということでは
必ずしもありません。同じ場所で体験可能な別のプログラムでもよいのです。
山登りの代わりに麓の町での民芸体験や、
最近はやりの屋内アスレチックに代えて、音楽や演劇系アトラクションでもよいわけです。
これがいわゆる「オプショナル・ツアー」ですね。
「オプショナル・ツアー」は皆さんご存知のように、団体旅行の中で、
追加料金を払って別コースに行くこともできます。ハンデの有無に関わりなく
旅の満足度を上げる代表的な手法の一つです。
長くなりましたので、次回につづきます
すこし間が空きましたが、今日は「旅行先を決める」の2回目をお送りします。
前回は出発・帰着時間と行先について考えました。
遠くに出かけるならば、出発が早くなる・帰りが遅くなるし、
出発前の点呼や乗降、トイレの時間も考慮に入れる必要があるという話をしました。
http://www.barifuri.jp/sns/blog/articles/5141
今日のお話は、特に移動にハンデを抱える方を旅行の対象にする場合に
よく寄せられる、「ペースについていけない」相談について考えます。
団体旅行の場合、参加者から見ると出発・帰着時間や訪問地、滞在時間が
予め決められています。
一般的に旅行は「あまり行ったことのない」「よく知らない」場所に行く
ことが多いと思います。そうすると
●どこに何があるかわからない
●移動にかかる時間が読めない
●移動に適したルートが遠回り
ということもありうるのです。
特に食事を挟んで前後に訪問地がある場合はスケジュールがタイトに
なりがちです。
ではどうするか?参加者の特性や配慮事項が予めわかるのであれば、
計画段階から織り込みましょう。
●可能な限り下見をしましょう。(ルートや足下の状況を確認)
●スケジュールも余裕を持たせて組みましょう(トイレ、バス乗降も織り込む)
●点呼・乗降に伴う移動を減らしましょう
●「何とか日帰りできそう」は宿泊を伴う旅行と思って間違いないです
わかりやすく言ってしまえば、訪問地の数を絞って、1ヶ所の滞在時間を
延ばすことです。訪問地の数を減らしても満足度を下げない工夫が必要です。
つづく