松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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松江/山陰バリアフリーツアーセンター の活動状況や、各種お知らせを掲載します。

山陰地方の郷土料理「あご野焼き」が旬です!

2018年06月11日 14:33   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。この間は、山陰の一品のひとつである「板わかめ」(めのは)を紹介しましたが、今回は、島根県の県魚でもある「飛び魚」を使った「あご野焼き」の紹介です。
「あごのやき」は産卵の為に日本海を北上する「あご(飛魚)」をすり身にして酒やみりんなどで味付けして棒に錬り付けて焼く料理です。島根県や鳥取県の山陰地方では日本海沿岸地域で飛魚が多く水揚げされ、様々な地元の料理に利用されてきました。「あご(飛魚)」はクセがなくて淡白な味ですが出汁がでるので、味噌汁、煮物などに広く使われ、新鮮な身は刺身としてまた練り物として利用されてきました。あっさりとした淡白な味はフライや塩焼きに向きますが、特にかまぼこやちくわの様に練り物にして焼いた「あご野焼き(あごのやき)」は山陰地方の特産品となっています。「あごのやき」は形はちくわに似ていますが、大きさが全く違います。製造業者によってもちろん大きさは異なりますが、大きいものでは1本が直径7~8cm、長さ70cm、重さ1.5kgにもなります。食べる時は1cmほどの輪切りにするのが普通ですが、手で千切ったりそのままかじって食べるのもオススメです。

○「あごのやき」の由来
「あごのやき」がなぜ「野焼き」と呼ばれるのかはそのサイズに関係しています。「あご野焼き」は昔は全て炭火で焼いていたのですが、そのあまりの大きさから焼くまで大量の煙が出るのでとても屋内で焼くには無理がありました。必然的に軒先や戸外で焼くようになり、「あご」を「野焼き」する事から「あご野焼き」と呼ばれる様になったといわれています。また、飛魚(とびうお)がなぜ「あご」と呼ばれるのかははっきりとはわかりませんが、一説によれば「あごが落ちるほど美味しいから」ともいわれています。
○「あごのやき」の作り方
「あごのやき」は「あご」のすり身を長い棒に錬り付けて回しながら焼いていきます。今ではすり身を作るには機械を使用する事がほとんどですが、肝心の作業となる「焼き」は熟練の職人が1本1本火加減を見ながらじっくり焼いている場合が多いです。数十センチにもなる大きな「あごのやき」を機械で一律に焼くのは難しく、今でも職人の腕が試される重要な作業です。焼いている最中に欠かせない作業が「火ぶくれたたき棒」と呼ばれる剣山の様な道具で「あごのやき」の表面を刺す事です。表面を刺して無数の穴を開ける事で「あごのやき」が膨れて皮がはがれてしまう事を防ぎ、火の通りも良くなります。「あごのやき」には酒やみりんなどの調味料が含まれていますが、穴を開ける事でそれらの調味料が表面に出てきて茶色くなるというわけです。ちなみに調味料が入っていなければ白色のままの「あごのやき」になります。 
○「あごのやき」の食べ方
「あごのやき」はちくわや蒲鉾の様に既に加熱調理済みなのでそのまま食べる事ができます。丸ごと1本で販売されているので輪切りにしてそのまま食べるのも良いですが、豪快にそのままかじって食べるのもありです。酒の肴としてわさび醤油をつけて食べるのも美味しいです。また、フライパンで少し焦げ目をつけて焼くと香ばしさが出て美味しさが一層引き立ちますし、簡単にレンジで温めても旨味が出てきます。他には天ぷらにして塩を振って食べるとまた違った味が楽しめます。

「めのは」も「あごのやき」もお酒のおつまみには持って来いの一品ですよ!!



たたら製鉄は命を育んでいます!

2018年06月11日 13:08   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。今週は雨が多く肌寒い一週間になりそうな松江市です。
鉄と命のつながりを見ると面白いです。勿論、地球の中心部も、鉄でできています。そして、鉄は人類と多くの生き物を守っています。
人類の文明の発展に貢献してきた鉄づくりで、島根県奥出雲町では今も炎の文化が息づいています。砂鉄と木炭を燃やし鋼を造る日本古来のたたら製鉄。町は独自の地域資源の価値を高めるため、日本農業遺産と世界農業遺産の認定を目指しています。
先人たちが創意工夫して、鉄とともに上質な農産品を育んできました。仁多米は、丘を削り砂鉄を得た鉄穴(かんな)流しの跡地に造った棚田で栽培しています。仁多の和牛は江戸時代、松江藩の鉄師が丈夫な体格に品種改良し、木炭を焼くために森林を伐採した跡でソバを育てました。こうした広がりは世界で類いまれな事です。
国内外を通じ、鉱毒事件や土壌汚染など本来、鉱山開発と農業は相いれないものなのです。しかし、有害な重金属を含まない砂鉄ならではの「共存」です。また、森林の伐採地を30年間隔で一巡させ鉄づくりと森の再生を両立させた手法も特筆されます。たたらと農林畜産業が結び付いた資源循環型農業と位置付けられます。
棚田にはオキナグサやタガメやドジョウなど豊かな生き物がすみ、森のミツバチがソバの受粉を助けます。
国内はもとより世界の舞台では、どう評価されるか感心を持って見守りたいところです。
非常に楽しみです!