松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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目の不自由な人たちが絵画を楽しむには、どうすればいいのでしょうか?

2018年07月31日 15:09   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。「目の不自由な人たちが絵画を楽しむには、どうすればいいのでしょうか?」
目の不十な人に名画をいくら色遣いや構成など説明しても理解するのは難しいです。耳の不自由な人にクラシックのオーケストラの演奏を説明するのと同様ですね。
でも、目の不自由な人に肖像画や花や動物などを触って感じられるように形に絵画を変化するとしたならどうでしょうか?例えば、3Dプリンターで立体的に表現したならどうでしょうか?
フィンランドのデザイナーが考案した、“触れることのできる”絵画が、注目を集めているのです。3Dプリンターによる技術革新で、世界の名作を体感する人々が増えそうです。
『モナ・リザ』に触れた感想です。
え?、これが本当に
「本当にいい形をしているわね。思っていたよりも、ずっと鼻が長いし。特徴的で…これが、謎めいた微笑みって言われるゆえんなのね。それにしても、みんなが言うほどクラシカルな美女には思えないけど」
これは、目の不自由な女性が生まれて初めて名画『モナ・リザ』を“鑑賞”した瞬間のコメントです。古典絵画を実際に手で触れることで、彼女は絵画を“観る”のではなく体感することができました。女性がこれまでに知識として得ていた情報。作品の中のモナ・リザは、古典的な美女だった。抱いていたイメージとの違いに、思わず吹き出してしまったのでしょうね。
視覚障害を抱える人たちへの、芸術体験の一助として3Dプリンターを使った、“触れることのできる”作品を提供する、ヘルシンキ在住のデザイナーMarc Dillon氏。彼のプロジェクト「目に見えないアート(Unseen Art)」は、触れて感じることができるように、世界の名画をダウンロードし、3Dプリンターで再現するというもの。書作権切れの古典絵画を中心に、形はあれど目に見えない作品を手がけています。
名画に触れることで“鑑賞”できる
目の不自由な私たちにとって、これまで絵画展は退屈な場所でした。実際手にして感じることができる作品がなかった訳でしたから仕方ないですよね。この技術はまさに革命的です。私たちがより美術館へ足を運ぶ、きっかけになるかもしれません
視覚に障害を抱えていても、同じように絵画を楽しむための画期的なツールになり得るのではないでしょうか?
古典絵画の作者や技法に精通していても、実物を目にすることができない人が、世界には数多くいます。私たちも含めて作品に触れることで、初めてその作品を体験したことになります。そのとき初めて、自分の意見や感想を口にできるはずです。
一日も早い技術の完成そして普及を願いたいものです。