松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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むかしむかしのお話も各地で内容が違います!

2015年09月14日 13:54   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハウル@矢野です。
この間の台風18号は思わぬ傷跡を残しました。
未だ避難所で不安な日々をお過ごしの方もいらっしゃると思います。心よりお見舞い申し上げます。
さて、今朝などは最低気温が15℃を下回るほど過ごしやすくなった松江市です。
昔から伝えられている民話でも各地方で全く違ったお話になっているのをご存じでしょうか?
例えば、「来年の事を言うと鬼が笑う」です。
むかしから、来年の事を言うと鬼が笑うといいます。
一般的には人生一寸先は何が起こるか分からないのに壱年先のことなどエンマ様でもわからないのに一般人がわかろうはずもない・・・と言うふうに理解している方がほとんどではないかと思います。
ところが島根県では少しではなく大きく食い違っています。
それには、こんなわけがあるのです。
ここからは引用です。
むかしむかし、とても強いすもうとりがいました。
ところが突然の病で、ころりと死んでしまいました。
人は死ぬと、えんま大王のところへ連れていかれます。
生きている時にいい事をした者は、楽しい極楽へ送られます。
生きている時に悪い事をした者は、おそろしい地獄へ送られます。
えんまさまは、すもうとりに聞きました。
「お前は生きている時、何をしていた?」
「はい、わたしはすもうをとって、みんなを楽しませてきました」
「なるほど、そいつはおもしろそうだ。よし、お前を極楽に送ってやろう。だがその前に、わたしにもすもうを見せてくれ」
「でも、一人ですもうをとる事は出来ません」
「心配するな。ここには強い鬼がたくさんおる。その鬼とすもうをとってくれ」
えんまさまは、一番強そうな鬼をよんできました。
相手が鬼でも、すもうなら負ける気がしません。
すもうとりはしっかりとしこをふんでから、鬼の前に手をおろしました。
鬼も負けじとしこをふんで、手をおろしました。
「はっけよい、のこった」
えんまさまが言うと、すもうとりと鬼が四つに組みました。
鬼は怪力ですもうとりを押しますが、でも、すもうとりは腰に力を入れて、「えい!」と、いう声とともに、鬼を投げ飛ばしました。
投げ飛ばされた鬼は岩に頭を打ちつけて、大切な角を折ってしまいました。
「ああっ、大切な角が」        角が折れた鬼は、わんわんと泣き出しました。
「こらっ、鬼が泣くなんてみっともない!」
えんまさまが言いましたが、でも鬼は泣くばかりです。
困ったえんまさまは、鬼をなぐさめるように言いました。
「わかったわかった。もう泣くな。来年になったら、新しい角が生えるようにしてやる」
そのとたん鬼は泣きやんで、ニッコリと笑いました。
そんなことがあってから、『来年の事を言うと鬼が笑う』
と、言うようになったそうです。
コッポシ(話の最後に言う言葉で「おしまい」という意味です。
ウソみたいなホントの話です。