松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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松江市美保関町片江の「墨付けとんど」

2016年01月12日 10:53   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハウル@矢野です。
昨日までの3連休で、お正月行事は終了の方も多いのではないかと思います。地方によっては、旧歴のお正月行事がある方もいらっしゃるのでしょうか。
成人の日が第2月曜日になった事から今までは15日の行事も少しずれてしまっているのでしょうか。
今日の話題は、「どんど焼き」です。松江では「とんどさん」と言います。全国的にはいくつかの呼び方があるようですね。
どんど焼きの火にあたったり、焼いた団子を食べれば、その1年間健康でいられるなどの言い伝えもあり、無病息災・五穀豊穣(むびょうそくさい・ごこくほうじょう)を祈る伝承行事です。
松江でも一風邪変わった?美保関町片江の「墨付けとんど」があります。
このとんどさんは、250年以上続く行事で、木炭の粉末や墨汁をお神酒で溶いた墨を、誰彼構わず塗り付けることで知られています。法被姿の男衆が担いで練り歩く2基のみこしに、墨付け役の女性が同行し、沿道や家の玄関先で出会う人の顔に次々と墨を付けます。進んで顔を差し出す人や逃げ惑う子どもらの歓声が響き、「いい男になった」「これで今年は安心」などと笑い合います。
何と言っても、前述しました通り、「誰でも」です。観光客だろうが、駐在さんだろうがとみかく誰でも墨を塗りつけられるのです。
顔黒になるほどご利益があるというのですからとにかく真っ黒になるまで塗りつけられるそうですよ。あり!観光客の方も参加できる(但し。顔黒覚悟)250年続く賑やかな正月神事
神事の概要を引用しておきます。
かつて美保関町片江地区は漁業の町として栄えた。中でも片江船団は昭和30年代まで、島根の沖合漁業、遠洋漁業の先駆的役割を持ち、遠くは大陸に近い水域まで出漁していた。そのような勇壮な海の人々による小正月を中心とした約250年も続く頭屋行事である。
無病息災、大漁を祈願し、また墨を付けられると1年間は風邪などひかず、海難にも遭わぬと云われており、根強い信仰をもたれている。
祭りで使われる墨は以前は風呂場やかまどの煤を集めて水や御神酒で練ったものであったが、近年は木炭の粉末や墨汁に代わっている。この墨は多く付くほど御利益があるとされる。
神事の大要
1月6日、海の潮と藻で禊ぎをした頭屋は、酒と米を供えた後、2本の孟宗竹を切って、神木(竹)迎えを行う。 神木は上方を横竹で結び、先端に御幣、扇、掛け鯛(1メートル程の紙で作ったもの)を飾り、横竹の両端には米と大豆を入れた袋を各々つるす。 米と大豆は祭りの後の田植え儀礼の早稲植え、代満てに使われる。 海は今までの汚れを払い、新しい甦りをもたらす場所、天まで届く竹は神の降臨の場所を意味する。
翌、1月7日は県内外の人にも評判の宮練り(墨付け)がある。 頭屋が参加者全員を海の潮と藻で清めた後、各地区の御輿、獅子頭、囃し方、正月の正装をした子供たちの順で、長い行列が各地区を練り歩く。この時、頭屋は御幣を各家に配る。 御輿を担ぐ者の顔には、墨が塗られているが、一番の呼びものは、それを更に盛り上げるように、練り歩く間に各家の主婦が墨を持ち出して通行人にもつけて回ることである。 行列の人々、通行人、見物客にも御神酒が振る舞われ、海辺の人々の闊達な雰囲気が辺りに充満し、とんど祭りは大盛況となる。
最後は1月10日のとんど焼き(7:00前頃~)でしめくくられる。 一晩、頭屋の宿で人々と共に直会をした御輿は、早朝、宮蔵へと納められる。各家のしめ縄は全て集められ、神木と共に神のおいでになる天へと舞い上がる。 このとんどの火で頭屋が搗いた3斗の餅が焼かれ、この1年間の無病息災を願って各家に配られる。


漁村というのもあるのでしょうか。毎年、盛大に村を挙げてのイベントなんですね。
とっても伝統のある行事でした。