松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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普門院(観月庵)は松江城の鬼門封じです!

2015年05月26日 14:58   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハウル@矢野です。
連日雨も降らないで、夏がもうそこまで来ているかのような良いお天気の松江です。
今回、ご紹介の普門院(観月庵)は、松江城の鬼門を守り続けて300余年の寺院です。
寺院内の茶室は不昧公も愛した名月の庵普門院(観月庵)があります。
今から約400年前、松江藩の初代藩主でありますところの堀尾吉晴公が松江城を築城、城下町を造成したときに開創された寺院です。
所在地はというと、遊覧船が松江城の内堀を優雅に行き交う「普門院橋」を渡った先にあります。この「普門院橋」の下を遊覧船で潜る際には、屋根を下げないと橋にぶつかってしまいますので、船頭さんの「頭を下げて下さい。屋根が下がります。」との声が橋の下に響きます。
コチラでの見どころはというと、境内にある「観月庵(かんげつあん)」です。ご察しの通り、お茶室です。
お茶室というと天井が低く部屋での移動は、星座したままなので筆者にはどうも馴染めません。
享和元年(1801年)に建てられた細川三斎流の茶室で、第7代藩主であり、茶人として「不昧流」をたてた松平不昧公もたびたび訪れたといわれています。また、明治時代この松江で暮らしていた小泉八雲も、ここでお茶の手ほどきを受けたことがあるそうですよ。
庵のにじり口を入ると、二畳隅炉と四畳半が組み合わさった本席があります。東側には天井まで開いた大きな窓があり、腰なし障子2枚が建っています。不昧公は、床前に座し、障子を開けたこの窓から東の空に昇る月を眺めるのが好きだったとか。また、庭には池があり、その池に映り込んだ“もう一つの名月”を望むことも。不自然なほど大きな窓だからこそ、月と庭が醸し出す情緒をより深い味わいで感じることができるというわけなのです。音もなく昇る月、月明かりに照らされた庭、耳に優しく響く葉音や虫の声……。この庵では抹茶を頂くことができるので、不昧公も感じたであろうそんな風情と共に味わってみてはいかがでしょうか?
観月庵の名前の通り、付きをめでてのお茶を贅沢な室礼(しつらい)というにはあまりあるところですね。
茶の湯の世界に触れ、気分がよくなったところですが、普門院にはゾッとするような昔話が残っています。それは、小泉八雲の著作『怪談』に登場する「小豆とぎ橋」のお話です。
【小豆とぎ橋のあらすじ】はこうです。
普門院の近くには、その昔「小豆とぎ橋」という橋がありました。この橋には、夜な夜な女の幽霊が現れ、橋の下で小豆を洗っているという言い伝えがあり、この場所で謡曲「杜若(かきつばた)」を謡いながら歩くとよくないことが起きるので、決して謡ってはならないとされていたそうです。
ある日、この世に恐ろしいものなどないという豪胆な侍が、「そんなばかなことがあるか」と「杜若」を大声で謡いながら橋を通ったのです。「ほら、何も起こらないではないか」と笑い飛ばしつつ侍が家の門まで帰り着くと、すらりとした美しい女に出会いました。女は侍に箱を差し出し、「主からの贈り物です」と告げるとパッと消えました。いぶかしく思った侍が箱を開いてみると、中には血だらけになった幼い子どもの生首が! 仰天した侍が家へ入ると、そこには頭をもぎ取られた我が子の体が横たわっていたのでした……。
背筋が凍るような怪談ですよね。今はもう「小豆とぎ橋」はないので幽霊が現れることはないと思いますが、松江城を取り囲むように流れる堀川を遊覧船に乗って巡ると、この普門院橋をくぐった先の川土手で、ふいに女の幽霊のレリーフが現れるとか。本当かどうかは遊覧船に乗ってみてのお楽しみ。


下記に問合せ先などを掲載しておきます。
所在地  島根県松江市北田町27
電話番号  0852-21-1095
営業時間 拝観時間 9時~日没まで(4月~9月:18時頃 10月~3月:17時頃)
定休日 なし。駐車場 あり
アクセス JR松江駅より松江レイクラインで塩見縄手バス停下車、徒歩約10分


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