松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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かつて死神とおそれられたコレラ菌

2020年03月27日 14:21   松江/山陰バリアフリーツアーセンター
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ハダル@矢野です。新型コロナウイルスの感染予防のために、島根県内でも夏祭りなどの市民の楽しみがどんどん中止になっています。一体、いつまでこのような状態がつづくのでしょうか?
さて、200年前に世界の人々を震撼させたコレラは、もともとインドのガンジス川流域、とくに下流のベンガル・デルタ地帯の風土病でした。この風土病のような局地的流行は「エンデミック」と呼ばれます。
ところがコレラはヒンズー教の巡礼に運ばれてインドの各地で流行することがありました。この広い地域での流行が「エピデミック」です。
そして近代、通商と交通網の発達は、ついにコレラの世界規模の大流行をもたらしました。「パンデミック」です。今日では感染症について「国を越えた感染拡大が制御できず、地球上の人類の誰にも感染の可能性のある状態」をいいます。
新型コロナウイルスの感染拡大について世界保健機関(WHO)が「パンデミックとみなせる」と表明しました。欧米やイランで感染者が急増する中での“宣言”です。今後アフリカはじめ医療態勢の不十分な地域の感染拡大が心配されます。
19世紀にはコレラが地球を一周するのに20年かかったそうです。これに対し昨年末からの2カ月半で世界の110を超える国・地域の約12万人に感染を広げた新型コロナです。感染拡大の防止はグローバル経済の分断も招かずにはおかないのです。
昔なら武漢の風土病でおさまっていたかもしれませんが、それが世界中の人々の暮らしを脅かす悪疫となったのも、人間の文明のネットワークにとりついたからです。ウイルスにも言い分はあるのでしょうが、耳を傾けるいとまのない今の人類なのです。今こそ、各国が国境を越えて、1チームとなって人類の敵に立ち向かわなくてはいけないと思います。